令和4年度「巨樹名木学習講座」の第4回を、9月10日(土)に開催しました。
講師の緑の相談所樹木医、角田信夫先生から樹木の特徴・過去の保護対策・現況の樹勢等についてご指導いただきました。
この日はまず、本妙寺のイチョウ(身延町):県指定天然記念物に行きました。※身延町門野1079
山梨県内のイチョウでは、福士金山神社のイチョウに次いで第2位とされている巨木です。
過去帳に、身延山6世日院の時代の応安5年(1372)、正行房日如上人を開山として建立された旨の記録があるといい、古くから続く古刹であります。このイチョウは、寺の創立間もない頃に植えられたと考えられています。
次に見学したのが本遠寺の大クスノキ(身延町):県指定天然記念物※身延町大野839
樹高16m、目通り幹囲6.2m、推定樹齢伝承390年。寺の創建時に植えられたものと言われています。
昭和初期に主幹が折れ、幹の内部は空洞となっていますが、そこから3本の支幹が伸び枝を広げ、たくましく樹勢を回復し、現在に悠々とした姿を見せてくれています。
最後に見学したのが、神の平のタブノキ(身延町):町指定天然記念物 ※身延町波木井2480
タブの木としては自然樹形が保たれ立派な木です。本樹は県内においての分布の北限にあたります。枝葉には粘液が多く、乾かして線香や蚊取り線香の材料とされるタブ粉になります。樹皮や葉は染料に用いられ、八丈島では黄八丈の樺色を出すのに用いられます。
近縁種に、ニッケイ・ヤブニッケイ・セイロンニッケイ(シナモン)があります。
この日は時間に余裕があったため、以上三ヶ所の他に、圓久寺ムクロジ、一色のクスノキ、常盤日光社大ケヤキ、鏡円坊のサクラ、本遠寺のシダレザクラ、波木井のヤブツバキも見学しました。(全て身延町)