令和5年度「巨樹名木学習講座」の第5回を、9月23日(土)に開催しました。
講師の緑の相談所樹木医、角田信夫先生から、樹木の特徴・過去の保護対策・現況の樹勢等に
ついて指導いただきました。
❶三恵の大ケヤキ(南アルプス市):国指定天然記念物
三恵の大ケヤキは推定樹齢1000年超の巨木であり国の天然記念物に指定されています。威容を誇った三恵の大ケヤキも、老木によく見られるように幹に空洞が生じ、1959年の台風や、落雷による火災などの被害を受けたことにより、現在では主幹の中央部が裂けて2本に分かれたように見えますが、根元をよく見れば1本の巨大な樹木であることがわかります。昭和49年の測定データによれば、根回り16m、目通り幹囲14.65m、樹高21m、枝張り東方11m、西方5m、南方10.5m、北方16mと、大きく枝が四方に広がる巨樹です。しかし、2019年の台風19号の影響で1本が折れてしまいました。
❷古長禅寺のビャクシン(南アルプス市):国指定天然記念物
古長禅寺は正和5年(1316年)に夢想国師が本尊釈迦如来を安置、禅刹を興したことに始まり、このビャクシン植栽地は「お釈迦堂」と呼ばれており、開山当時四天王をかたどり、旧客殿前庭の四隅に約10mごとに植樹され、通称「夢想国師手植えの四つビャクシン」とも呼ばれています。樹齢約700年。国の天然記念物に指定されたビャクシンは、個体・樹叢を合わせ全国に9件あり、古長禅寺のビャクシンはそのうちの1件であります。
❸湯沢の思いスギ(南アルプス市):県指定天然記念物
思い沢の北に面した斜面に自生しており、樹齢500年、根回り10m、枝張りは東西20m、樹高33mという大木で2本のスギが、接触し癒着している珍しい現象を見ることができます。今から100年ほど前は、2本の間に隙間があいていて、人がくぐり抜けたらしいのですが、それが50年程前には狭くなり、今ではすっかりくっついて隙間はなく、通り歩きはできません。今では10年で10㎝の成長です。
この日は時間に余裕があったため、以上三か所の他に、十日市場のケヤキ、法善寺のサルスベリ・避雷針のマツ、上市之瀬のイトザクラ、野牛島のビャクシン(以上全て南アルプス市)も見学しました。