いよいよ気温が下がり、秋らしさを感じるようになりました。今日は鳥獣センター秋冬の風物詩、タヌキの保護についてのお話です。

タヌキの保護依頼は5,6月と10月中旬以降の寒い時期に集中します。5、6月は赤ちゃんが産まれる季節に勘違いで拾われる子たちです。
そしてこれからの時期には交通事故が増加します。

タヌキが冬場に事故に遭いやすい理由はふたつあり、ひとつは子どもが親から独り立ちする時期が来るためです。充分に育って親から追い出された子タヌキは、ひとりで旅して自分の縄張りを見つけなければなりません。その過程で道路を無謀に横断し、車と接触してしまいます。

ふたつめの理由には「疥癬症(かいせん症)」という病気が関係しています。ヒゼンダニの寄生によりおこる病気で、感染すると毛が抜けたり、皮膚がカサブタで覆われたようなグロテスクな見た目になります。年中流行る病気ですが、毛が無くなるところに寒さが重なると低体温で弱ってしまいます。これからの寒い季節、低体温で意識が朦朧とする中人里をうろついた結果、交通事故に遭うという具合です。

10月も終わりが近づき、早速今期もタヌキが運ばれはじめました。夜の間は市街地でもタヌキが道路を横断します。道路が空いていてスピードを出したくなりますが、運転の際は少しでもゆっくり走行してあげると悲しい事故を減らすことができます。ぜひご協力をお願いいたします。

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