大変な酷暑が続いております。皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回はいつもと毛色を変えて、鳥獣センターに保護された生きものについてご紹介できればと思います。
どの子にしようか迷いましたが、今回はこの子「メジロ」さんです。
センターに来た時、既に巣立ちヒナでした。
巣立ち前後の野鳥のヒナは基本的に保護しないほうが良く、
今回もそのままでとお伝えしようとしたらビックリ。
なんと右の翼が丸ごとない!?
交通事故などで折れている事例はよく見かけますが、丸ごと無くなっているのは珍しいです。
しかも翼があった場所には古い傷跡があるだけ。この状態になってだいぶ経つ様子。
おそらくですが、巣の中で成長する際に巣材が翼に絡まってしまい、ゆっくりと壊死して失われたのではないかと考えています。
メジロを含めた野鳥は巣を作る際、細い枝や草、コケなどを使いますが、
形が似ていることからビニールひもなどの人工物も混ぜることがあります。
ビニールひもは劣化すると細かく縦にさけるので、親鳥にとっては巣作りしやすい良い素材に見えます。
しかし動きの鈍いヒナにとっては、巣の中で動き回る間に体に絡まりやすく、一度絡むと解くのが困難なのです。
鳥獣センターにはこういった、人工物の巣材によりケガをした野鳥がたまに運ばれてきます。
ビニールひもは安価で使い勝手が良いため、農業や家庭菜園等によく使われます。
屋外に設置した後はたまに様子を見て、劣化してきたら取り替えてあげると事故を防ぐことができます。
ひな鳥に優しい環境づくりに、ぜひご協力ください!
※この子は現在バックヤードの非公開ゾーンで生活中です。負担軽減のため、見学・取材をお断りしております。
ご了承ください。